「この年齢から、新しいことを覚えられるだろうか」
AIの話題を耳にするたびに、そう感じている方は少なくありません。とくに定年後の再雇用で働いている場合、あと数年で終わる仕事のために新しいスキルを身につける意味があるのか、と考えてしまいます。
今回お話を伺ったのは、駐車場の管理運営会社で調査研究・事業企画を担当する60代のスギちゃんさんです。受講前はChatGPTを相談や調べ物に使う程度で、業務に組み込むという発想自体がありませんでした。
そこから4ヶ月で、毎日の手作業だったデータ集計を自動化し、社内のAI活用を任される立場になりました。終了予定だった再雇用の期間も、延長が決まっています。
- 「50代・60代からAIを覚えても遅いのではないか」
- 「社内にAIを使っている人がいない」
- 「セキュリティが心配で、会社の業務には使えない」
こうした状態にある方に、参考にしていただける内容です。

監修者:株式会社aim代表取締役社長 はやたす
◾️AI・データ活用を累計400名以上に指導
◾️上場企業から中小企業のAI導入支援
◾️YouTube登録者 合計7万人
◾️Udemy受講生6,000名以上
◾️文京学院大学、東京情報デザイン専門職大学にAI専門家として登壇
◾️著書:『Pythonブートキャンプ データ分析コース』(技術評論社)
AIに手が出せない人に共通する3つのこと

スギちゃんさんが受講前に置かれていた状況は、多くの職場に当てはまるものでした。
「相談する」以外の使い道を知らない

こんにちは。はやたすです。
今回は、AXエンジニアコース受講生のスギちゃんさんに来ていただきました。
毎日の手作業だった業務を自動化され、再雇用の延長も決まったというご報告です。本日はよろしくお願いします!



よろしくお願いします。
年齢は60代です。
前職は法的機関などで手続きの仕事をやってきたんですけれども、60歳になりまして、その後は駐車場の管理運営会社で調査研究や事業企画の仕事に携わっています。



受講される前は、AIをどんなふうに使われていましたか?



何ができるかもよく分かっていませんでした。
ChatGPTはもう相談で使うぐらいで、業務に活用するということもなく。
フローを組んで何かをやらせる、という発想自体がなかったですね。
調べ物や相談に使う。ここで止まっている方は非常に多いです。AIに作業そのものを任せる、という発想に至るきっかけがないためです。
手作業が当たり前になっている



社内では、どんな作業に時間がかかっていたんですか?



複数の駐車場を管理していまして、そこから上がってくる利用データを扱うんですけれども、メーカーが作ったページから自動でダウンロードできる形になっていないんです。
ホームページからコピーしてExcelに貼り付けて、それを加工してグラフを作る。そんな仕事のやり方を、皆さんがやっている状況でした。



それをやるための時間が毎日かかっていて、コピー作業はどうしても手元が狂うとミスも発生しがちです。
効率の悪いやり方をやっているな、という状況がありました。
非効率だと分かっていても、他のやり方を知らなければ変えようがありません。
セキュリティが心配で会社では使えない



生成AIがすごいというのは分かるんですけれども、自分でそれを使いこなすとなると、セキュリティ面が気になって。
何ができるのかも分からず、何から手をつければいいか分からない状態でした。



会社の業務で使おうとすると、必ず情報の扱いが問題になりますよね。
ここは個人で判断しづらい部分です。何が危なくて何が大丈夫なのかの線引きを、誰かに教わる必要があります。
4ヶ月で業務が変わった3つのポイント


受講後、スギちゃんさんは毎日の手作業を本番運用まで持っていきました。何をしたのかを3つに整理します。
毎日の手作業を、一連の流れごと自動化する



実際に、どんな成果が出ましたか?



講座で教えていただいた結果、n8nにトリガー機能があると知りまして、毎月1日に動くよう設定しました。
ChatGPTと相当壁打ちしながらPythonのコードを書いて、それをn8nの中に組み込んで、月が変わると自動的に1ヶ月分のデータをダウンロードして、グラフも自動で作るところまでフローで作りました。



それを自分の個人PCで作ったものを共用PCに移して、その結果を職員の皆さんにメールでお知らせするところまでフローを組むことができました。



試作で終わらせず、実際の業務で回る状態まで持っていかれたということですね。
部分的な効率化ではなく、データの取得から共有までを1つの流れとして組み上げています。本番運用まで到達している点が特徴です。
セキュリティの不安は、環境の作り方で解決する



n8nはオンラインで使うと課金されたりして、会社で使うのがなかなか不便だったんです。
これをDockerコンテナで構築すると無料で使えて、セキュリティ面も安心だということも教えていただいたので、その構築もすることができました。



会社で使えない理由って、ツールそのものより環境の作り方にあることが多いんですよね。
ここは知っているかどうかの差が大きい部分です。独学だと、そもそも選択肢があること自体に気づけません。
1つできると、他の業務にも広がる



会議にNotebookLMを使うとできるよ、ということも教えていただいたので、それを早速社内で展開しました。
今は議事録の作成は、NotebookLMを使ってやるようになっています。



この前も、社内で個人情報のデジタル管理ができていないので、それを整備するための提案書をChatGPTに相談しながら作って、配布資料にしたりしました。
さらにNotebookLMに読み込ませてプレゼン用のスライドを作って、説明のときに使ったりもしています。



社内では以前、AIはまったく見向きもされていなかったんですよね。
そこから議事録の作り方が変わったというのは、大きな変化です。
1つ自動化すると、これまで当たり前だと思っていた他の作業も「これも任せられるのでは」と見えてきます。
60代からAI活用を始める前に知っておきたい3つの現実


年齢を理由に迷っている方に向けて、スギちゃんさんの経験から見えたことを3つ挙げます。
年齢は、思っているほど障壁にならない



参加するにあたって、不安はありませんでしたか?



データサイエンスコースを受講した経験がありましたので、不安は全くなかったです。
はやたすさんがやるなら大丈夫だろう、というのが決め手でした。
年齢そのものより、毎日繰り返している作業を持っているかどうかのほうが成果に効きます。長く同じ仕事をしている方ほど、自動化できる作業を多く抱えています。
会社からの評価につながることがある



AI活用のスキルも認めてもらえて、再雇用期間が延長になりました。



それは素晴らしいですね。
社内にできる人がいない状況だと、1人できるようになるだけで希少な存在になりますから。
これは年齢が上の方ほど当てはまります。長年の業務知識とAI活用が組み合わさると、代わりが効かなくなります。
効率化の余地は、想像より多く残っている



今後はどうしていきたいですか?



社内の効率化は、まだまだ山のようにあります。
講座で学んだことを武器に、さらに業務改善に取り組みたいです。
データサイエンスのほうでは、駐車場の将来需要予測みたいなこともやってみたいと思っています。
最初の1つを越えるかどうかが分かれ目です。1つ越えると、次からは自分で見つけられるようになります。
60代からでも、毎日の手作業は変えられる


ChatGPTを調べ物に使う程度だった60代の方が、4ヶ月で毎日のデータ集計を自動化し、社内のAI活用を任される立場になりました。
ポイントは3つです。「部分ではなく一連の流れごと自動化すること」「セキュリティの不安を環境の作り方で解決すること」「1つできたら他の業務に広げること」です。
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